ガウディ


19~20世紀を代表する世界的建築家「アントニオ・ガウディ」
ガウディの作品は「模型とスケッチ」を中心に「現場」で検討しながら「職人」と共につくりあげられていて「図面」はほとんど残されていないそうです。
しかしながら、手がけた建築のうち7件が世界遺産に登録されるほどの素晴らしいものばかり・・
今回そのガウディ作品を自身で40年間実測し手書きで図面化している田中裕也氏が、ガウディの身体的スケールや自然界のスケール、合理的創造過程などを解き明かす展示会が
東京品川の「建築倉庫」で開催されていたので行ってきました。

図面化によって解説されている作品の中でサクラダファミリア、グエル公園など色々ありましたが、今回私がとても興味深く印象に残ったのが

バルセロナ中心街に建築された住宅・オフィス・スクールなどを含む複合建築「カサ・ミラ」でした。
全ての窓の形状が異なり壁面も彫刻のようにつくり上げられているため、私は一見してとても装飾的な建築と思っていましたが
田中氏の実測と図面化によれば、迫りだすバルコニーはスペインの直射日光を遮断しつつ窓を開放し、内部に明るさをもたらす「人間生活」を考慮したつくりになっていることや、屋上塔屋は放物回転体で滑らかに風を通す工夫がされていること、また屋根裏階のアーチ造は建物を補強する要素になっているなど建物全てにおいて「機能」と「合理性」が伴った建築だとの解説でした。
ガウディ建築が彫刻郡や曲線(アーチ)などの造形建築だけではないことを知ることができました。
ガウディ建築の素晴らしさもさることながら、田中氏が自作の木の棒定規や闇市で買ったメジャーなどの簡素な道具で現地で「はかり」続けて図面化した情熱あるエピソードには感動いたしました。

この展示会を通じてあらためて建築の奥深さを感じることができました。